「えっと、白石美夜ちゃん…?何才?」
「17…」
「え、うそ、高2?高3?」
「3…」
ボソボソと小さい声しか出さない私を特に気にするでもなく質問してくる。
「家にれんら…「必要ないですっ!」」
突然声をあげてしまった。
あそこに戻さないで。
帰りたくない。
彼はなにか考えるような顔をして、
「でも、とりあえず、未成年だから連絡だけしていいかな?帰れとは言わないからさ」
優しく優しく目を見て言ってくれる。
たしかに、彼も困るだろう。
でも…
なにも返事をしない私に続けていう。
「どこにいるかも言わない、約束する。ただ、無事ですってことだけ伝えさせて?」
…伝えたところで…
なんて考えたけど、
これ以上迷惑をかけるわけにも行かなくて、
小さく頷いた。
早く大人になりたい。
あんな人たちとの縁なんて切れて仕舞えばいいのに…
電話すると部屋をでた彼の背中を見送って、
ここをでる準備を始めた。

