「よし、じゃあ3人も送るよ。」
財布をポケットにしまって、
美夜を抱きかかえる。
3人はパチパチと拍手している。
そのまま助手席にゆっくり下ろすと、
さっき抱きかかえていた時に掴んでいたのか、
俺のカーディガンを握りしめている。
可愛い…
なんか、さっき触れたのを皮切りに、
本人の中で、もう警戒心が解けたのか、
短時間で甘えん坊が発揮されているような…
ニヤニヤしながら後部座席の3人が覗き込んでくる。
「まったく、からかわないでよ。」
「だって、面白いから。」
と結菜ちゃんがほんとに楽しそうに美夜を見る。
このままじゃ俺も運転席に移動できないから、
カーディガンを脱いで、
美夜に被せる。
「さすが大人の男性ですね」
いやだから廉斗くんもからかってんだろ…
なんとか運転席に座って、
3人を送り届ける。

