動かない椎名さんに驚いて、

具合でも悪いのだろうかと覗き込もうとしたら、

「初めて美夜が俺に触れたね。」

ってすごく嬉しそうに微笑んでいる。

え。

私はゆっくり自分の手元を見る。

繋がれた手。というか、繋いだ手。

っ!

急に恥ずかしくなって慌てて離そうとするけど、

椎名さんに強く握りしめられる。

「し、椎名さん!」

「だめ、俺嬉しいんだから。美夜から繋いできたんだよ?」

と、今度はいたずらに笑う。

…ずるい。

「は、離してくださいぃ…」

「んー、聞けないお願いだなぁ。美夜可愛い。」

っ。

し、心臓がもたない。

こんなイケメンと手を繋いでるなんて。

「あの、俺らいるんで。」

「美夜、僕たちのこと忘れてる?」

「ラブラブだぁ〜ふふっ」

〜っ///

「君らのおかげだね。甘いものでも食べに行く?」

し、椎名さん!?

そのまま車にみんなでのって、

近くのカフェまで連れて行ってもらった。

運転中もほとんど握られた手は離されなかった…