少しの沈黙の後、
結菜が話し始める。
「ツッコミどころ満載だし、でもそれよりもなんで私たちを頼ってくれなかったのって悔しさもあって…なんか…カオス…」
迷惑かけたくないって思いと、
遠くにいかないとって感情で
ただ歩き続けてたんだけど…
そうだよね、私も逆ならそう感じるかもしれない…
「ごめん、ただあそこから遠くにって意識しか働いてなくて…」
結菜は私をぎゅっとしてくれる。
隠れて見えないけど、泣いてくれてるんだと思う。
「で、その椎名さん?は、いい人なのか?」
湊が話す。
「うん、とても優しいよ。出会った時、びっくりして手を払いのけてしまったんだけど…それを気にしてか、すごく気も使ってくれてる…と思う。」
「ふぅーん、」
と、ちょっと不機嫌。
ただそれより不機嫌なのは、
「離れなきゃってのはわかるし、美夜の判断は間違ってないと思う。でも、言いたいことわかるよね?」
えーっと…
「単純に、夜に一人で歩くって危ないでしょ。バカなの?しかも知らない男の人の家に…いい人そうだからいいものの、そうじゃなかったらどうするの。」
説教モードの廉斗に、
くっついていた結菜が逃げる。
私はその場に正座する勢いで、
ごめんなさい、を繰り返す。