飼い主の溺愛


椎名さんより私の方が今日は早いみたいで、

先に家を出る。

「行ってきます。」

「ん、気をつけて、行ってらっしゃい。」

机の上に置いたもの気づいてくれるかな。

そう思いながらお辞儀して、教えてもらったとおりに、

家を出て、

駅に向かう。

外から椎名さんのお家を見るのは今日が初めてだけど、

なんだか不思議な形をしている。

マンションのような、一軒家のような…

うーん…

立ち止まってぼーっとしていると、

スマホが音を立てる。

『まだ?』

あ!やばい!急がないと。

駅に向かって再び足を動かす。

今日、駅で待ち合わせているのは、

幼なじみの1人だ。

朝、顔の傷が目立たないことは確認したし…

でも、駅で待ち合わせの時点で、

なんで今日ここからなのって聞かれるだろうし、

そもそも休んだ理由だってまだ話せてない。

駅で待ち合わせる幼なじみ以外にもいる、

あと2人の幼なじみを思い浮かべて苦笑する。

大変だぞ、今日は…