「あれ、でもどうして住所…」

ふと、浮かんだ疑問を口に出す。

「んー?内緒!」

「え。」

……笑顔で返される。

え。どうやって…

「うそうそ、この前電話番号聞いたからそれで調べたんだよ。」

あ、そっか、あれ家の固定電話の番号だったから…

なるほど…

「そんな大切なもの入ってんの?」

覗き込まれそうになって慌ててしまう。

は、恥ずかしい!

「見ちゃ…ダメです」

キョトンとした顔をする椎名さん。

かっこいい人はどの顔もかっこいいんだなぁ。

すごい人に拾ってもらったのだと改めて思う。

「あの、本当に色々ありがとうございます…」

「いいって、一緒に住むんだから気を使わなくて大丈夫だから」

「妹ができたみたいで嬉しいし!」

凛さんも椎名さんも笑顔で答えてくれる。

妹…

というより、自分では本当にこの至れり尽くせりが、

「ペットみたいです…」

と口に出す。

2人は大笑いして、

「絶対黒猫!それかロシアンブルー!美人猫だ!」

と盛り上がっていた。

…やっぱりここは暖かい。