着替え終わって自分の部屋から出ると同時に、

椎名さんが帰ってきた。

私の方を見て、すごく驚いた顔をしている。

あ、似合わない…かな

「美夜、似合うね。すごい綺麗。」

っ!

たとえお世辞でも、嬉しい。

凛さんも、

「いいなぁー身長高いから綺麗なラインだよ〜羨ましいー!可愛い〜!」

と言ってくれる。

う、嬉しい…

「晴翔、美夜ちゃんはこのブランドの大ファンなんだって!」

椎名さんは、一瞬固まって、

すごく嬉しそうに笑った。

「美夜にぴったりだよ。」

…?

なんだか2人とも嬉しそうで、

私も憧れのブランドの服に浮かれていた。

椎名さんが廊下からダンボールを運んでくる。

え、そのダンボール…

「どうして…」

「美夜さっき、これのこと言いたかったのかなって。美夜に行かせたくなかったから取ってきた。」

私がいつでも家を出られるようにと、

ダンボールに詰めた自分のもの。

開けると、そこには、全部詰まってて、

ダンボールに入れてなかったものまで

入ってて、

「どれが必要かわかんなかったから、とりあえず美夜のものって言われたものは全部持って帰ってきたんだけど…」

諦めてたもの。

大切なもの。

「ありがとう…ございます。ほんとに、ありがとうございます…」

ダンボールを抱きしめてお礼をいった。