ぎゅっと抱きしめてた手を離して、

由梨さんの前にたって、

目を見る。

言わなきゃ、ちゃんと。

「た、たしかに私は男性とのお付き合いとか、未熟です。それに、由梨さんみたいに素敵な大人の女性じゃないし、なれそうにない…です。でもっ、
椎名さんじゃなきゃ…。椎名さんは渡したくないです。」

負けるな、がんばれ、自分。

「椎名さんは…今は私の彼氏です。か、勝手に、き、キスしないでください…私の椎名さんを…取らないで…」

言い終えたあとに、

椎名さんの腕を引いて、

背伸びして口付ける。

唇をゆっくり離して、

今度は椎名さんに、

「私以外に勝手にちゅうさせないでください!怒ってますから私!」

と叫んで、クロくんの腕を掴んでドアを開ける。

「え、ちょ、美夜!?」

「椎名さんのバカ!反省してください!…あとは2人でしっかりお話してください。…またキスさせたらもう二度と椎名さんとしないから!」

「ちょ、美夜」

バタンと大きな音をたててドアを閉める。

…言ってやったんだ、私!!