「…あんた、最低だな。」
クロくんの声が静かに響く。
クロくんは由梨さんに敵意を向けてる。
「うん、こんな言い方ずるいわね。でも…子供にはまだわからないわ。」
子供…。
椎名さん…。
「ちょ、待てよ。由梨さん落ち着いて?彼氏となんかあった?」
「彼氏なんて…いない。晴翔と別れてから他の人と付き合っても、晴翔ばっか考えちゃう…昨日も美夜ちゃんいい子だから、邪魔しちゃダメって、言い聞かせて家に帰った。でも、やっぱり」
「ごめん、由梨さん。俺は美夜じゃなきゃダメだよ。」
椎名さん…
「…俺も白石じゃなきゃ嫌なんですけど。」
え、クロくん?
「ちょっとクロくん、さらにこじれるからその話は今日は置いといて。」
クロくんは舌打ちしながら、椎名さんの言葉を受け入れる。
…?
でも、椎名さん、私じゃなきゃダメって言ってくれた。

