飼い主の溺愛


玄関に戻って、

「これですよね。」

と手のひらにライオンを乗せると、

由梨さんは宝物みたいに握りしめて安堵の表情を溢す。

「…由梨さん、今の彼氏とうまく行ってないの?」

「っ、ううん、大丈夫だよ。…なんで。」

「いや…特にはないですけど…」

だって、そんな元カレがあげたストラップを大切そうに握りしめるから。

なんて、俺からは言えないし。

言わない方がいいとも思った。

「…美夜ちゃんとはうまく行ってるの?」

小さな声で、由梨さんが言う。

「ん、ようやく彼女になってくれたよ。」

「ーっ!…そっか…」

…やっぱり、

「由梨さん大丈夫?なんかあった?」

いつもと違う。

昨日の夜は今まで通りだったのに。

昨日彼氏と喧嘩したのか?