「美夜、俺に美夜を独占させて。」

私はゆっくりうなずく。

椎名さんは、

嬉しそうに笑って、

私の頭を抱き寄せてくれる。

「やっと美夜が俺の彼女になってくれた。」

彼女…

「椎名さんは、私の彼氏…?」

「ダメ?」

私は一生懸命首を振る。

「ダメじゃないです…彼氏がいい。」

自分からギュッと力を込める。

椎名さんを独占してもいいんだ…

椎名さんが私の彼氏…

なんて素敵なことなんだろう。

「美夜。」

名前を呼ばれて顔をあげたら、

椎名さんに唇を奪われる。

っ!

また熱が顔に集まってくるのがわかる。

「美夜、真っ赤、可愛い。」

私は耐えきれなくなって、

最後にもう一度ギュッと力を込めて、抱きしめてから、

結菜めがけて、部屋を飛び出す。

椎名さんの笑う声が聞こえる。

嬉しそうな声。

私も嬉しい。

このニヤケ顔をなんとかしないと…