椎名さんがケータイを持って離れてく。

こんな夜に誰だろう…

少しして戻ってきたと思ったら、

お出かけするみたいだ。

…モヤモヤする。

気を使わせないように、家を開けてくれようとしてるんだと思う。

でも…どこに行くんだろう…

さっき恭介さんは帰って行ったし…

玄関に行く椎名さんを慌てて追いかける。

椎名さんは私に声をかけて、

出て行こうとする…



「え、美夜!?」

気付いたら椎名さんの服を掴んで引き止めてた。

…引き止めてどうしたいの、私。

「…私たち、本当に大丈夫なので、椎名さんは自分のお布団で寝てください…仕事もあったのに疲れ取れなくなっちゃいます…」

「あー…バレちゃってたのか…大丈夫だよ、これから友達電話したら誰かしら泊めてくれるだろうし。」

「恭介さんとこ…ですか?」