「服…とか買わないとな。」
俺の仕事は今日休みだし、
買いに行くか、と言う意味を込めた言葉。
「あのっ、お願いが…」
消え入るような声。
ちょっと嬉しい。
申し訳なさそうにしかしていなかったこの子からのはじめてのお願い。
「ん?どうした?」
「……」
少し考えてから、美夜は首を振る。
「やっぱり、大丈夫です。」
少し震える腕で自分を抱きしめていた。
…もしかして…
まぁでも今は追求しない方がいいのかな…
「そっか。美夜学校は?」
「あっ、えっと、」
気まずそうに目をそらす。
今日は、5月の月曜日。
あー…今日やっぱ学校だったか…
「欠席日数は大丈夫か?」
「それは大丈夫です、休んだことなかったです。」
んー、今はまだ顔の傷が少し引いた程度。
「傷…気にするなら、今日明日と風邪で休みって連絡する…?」
傷というワードをきいて、
美夜は自分の頬を触る。
少し考えて、コクンと頷く。
「とりあえず、今日休みの連絡、友達でもいいからしときな?」
また小さく頷いてスマホを取りに行く。
さて、買い物どうするか…

