お風呂場に着くと椎名さんがゆっくり下ろしてくれて、
結菜が用意してくれた服が置いてある。
「美夜、本当に大丈夫?」
「大丈夫です。でも…あの、グラス…」
私はきゅっと自分の手を握りしめる。
その手に椎名さんの手が重なる。
「また買いに行こ。大きな怪我なくてよかったよ。」
と言ってくれる。
何かがこみ上げてきて、
椎名さんに抱きつきそうになって思い出す。
あ、汚れてる….
だめだ、椎名さんまで汚れちゃう。
「あ、ありがとうございますっ」
お礼を言って脱衣所の扉を閉める。
抱きつきたかったな…
オレンジジュースで汚れた服を見ながら残念な気持ちになる。

