「あの…私はなんて…」
「んーなんでもいいよ。晴翔?」
「で、できません」
困った顔。
ふっ、可愛い。
「じゃあ…椎名…さんで…」
え、よそよそしいな…
でも彼女の精一杯みたいだし、
「ん。おけ、よろしく。」
ゆっくり手を伸ばすと、
彼女はちょこんと
その先端に控えめに触れる。
…今はこれでいいや。
ふっと笑って、
フレンチトーストをまた口に運ぶ。
朝食を食べたあとは、
部屋の案内をして、
色々なものの場所と使いかたを説明する。
彼女は覚えが早く淡々とインプットしているようだった。
「あ、そだ、この部屋使っていいから。」
「え…」
俺はゲスト用の部屋を案内して言う。
自分の部屋がもらえると思ってなかったか、美夜が固まる。
「そんな、私に部屋なんて…」
「いーから!余ってんだ、この部屋。使ってくれると助かる。」
美夜は戸惑いながらも頷いて、
お礼を言う。
あとは…荷物…だよなぁ

