「え、いやでも、迷惑…「じゃないから」」

彼女は困ったのか黙ってしまう。

「俺のこと怖い…か?」

不安になって尋ねる。

すると、思い切り首を横に振って否定してくれる。

やっぱ、迷惑とか考えてんのかな〜

ん〜

「じゃあ俺、家空けることも多いから、その間家のことしてほしいかなーって思ってて、どう?それならギブアンドテイク…でしょ?」

あんまり、ギブアンドテイクという言葉を使いたくはないけど、

今の彼女はそれを気にしているのだろうし…

「…で、でも…」

「ん?やっぱなんか気になる?」

また彼女は黙ってしまう。

テーブルに置かれた彼女の手はぎゅっと力が入っている。

「俺の家…くる?」

コクンと小さくうなずいて、

お願いします…とか細い声で言った。

っしゃ!

心の中でガッツポーズ。

「よし、よろしくな!改めて俺は椎名晴翔。白石美夜ちゃんだよね、なんて呼べばいい?」

「え、なんでも…」

「んじゃ美夜で、いい?」

コクンと頷く。