そんな私を先生がなだめつつ、大賀君の様子を診る。

しばらく状態をみて、安堵の表情を浮かべた。


「大賀君、またやっちゃったのねぇ……」

「……んー、いけると思ったんだけど」

「気をつけないと……って、あなたはそれどうしたの?」


いつのまにか真っ赤に染まっていたハンカチを見て、先生は「あー、これのせいかぁ」と納得したみたいに頷いた。


その手はすぐにカーテンに伸びて、その薄黄色の布は私を囲んだ。


カーテンの内側に閉じ込められた。


「ごめんね、ここで処置させて」と、にこっと笑う先生。戸惑いつつも頷く私。



「結構切ったわねー。でも浅いから大丈夫よ。それよりあなた、ここ押さえたら余計血が出るから、次からはここ、こういうふうに止血してね」


「あ……そうだったんだ……」


あまりに血が出るから縫わないといけないのかと思ったら。
自分で悪化させていたなんて……。


くるくると包帯を巻かれて、カーテンの外へ出た。


大賀君は、まだソファにいた。
瞼を下ろして寝ころんでいる。


傍にしゃがんで顔を見てみると、まだ青白い。ぐったりしている。


「……大丈夫?」


「うん。ごめん、油断した」