それでも何も言わない私を、飽きもせず待ってくれている。


さっきから首より上が熱すぎる。


……これじゃあ、もう告白しているみたい。

大賀君だって、絶対……勘付いているんでしょ?


私は、迷った。
なんでもない、と戻るのか。好きだと言ってしまうのか。


「葉由?」


こんなにドキドキして大丈夫なのか。
不安になるほど、大賀君の一言が、声が、姿が……ぜんぶが、破壊的。


だから色んなしがらみまで、壊されたんだって。
そう、人のせいにしたくなる。



……言いたい。
蓮の裏切りを理解していても。



「私を、彼女にしてくれませんか……」


最低だ。
こんなことを言って、後悔も浮かんでこないなんて。


目の前の大賀君から床へと、視線を落下させた。