今日は蓮の四回目の命日だ。


四年ぶりの蓮の家に入った。


隣には、同じように、顔に緊張をはりつけたはーくんがいる。


「来てくれてありがとう」


蓮のお母さんは、赤くなった目を細めた。


おばさんは、前よりずっと弱弱しく見える。


あの日……私が、家を出なかったら。


蓮との約束を守っていれば……。


この家族は、こんなに、めちゃくちゃなことにならなかったんだ。


玄関で、靴を脱ぐより先に、私は跪(ひざまず)いて土下座した。


「……ごめんなさい……っ!」


「葉由ちゃん?ちょっとやめて……」


「私のせい……。私が、あの日、外に出たから……。蓮との約束を守らなかったから……、蓮は……」


涙が溢れて玄関がぬれていく。


すぐ傍ではーくんも、同じように頭を下げた。


「俺が葉由に、転校前に会いたいなんて言ったから……だから、そもそも、俺のせいなんです……。ごめんなさい、おばさん、蓮……」



はーくんの肩が震えている。


涙で濁った視界で、それが見えた。