蓮の死から数日がたって、延期していた引っ越しをやっと終えた。


遠いって思った二時間って言うのは、思ったより全然近くて、余計に悲しくなる。


……俺のせいだ。



二時間かけて、葉由の家に行った。


電話をかけても出てくれない葉由のことが、すごく心配で。


インターフォンを押して、出てきた葉由は、光のないうつろな目で俺を見た。


「……どちらさまですか?」


「それ……なんの冗談?」


ははっと引きつった笑みを浮かべた俺を、葉由は不思議そうに見ている。


「え……?」


時が、止まった気がした。