私は……どうだろう。


蓮は大事で、それは一生変わらない。


だけど、今、一番好きって言ってしまいたくなるのは……大賀君だ。


悲しいけど……私の時間は、もう動き出してしまっている。

自分でも止められない。

理性で何とかなるなら、もう、そうしてる。



大賀君は、どうして、動き出さないんだろう。


ずっとそこにいて、苦しみの中でじたばたするのかな。


……そんなのは嫌だ。


だって、大賀君の相手は、生きているんだから。


「もうすぐ、蓮が亡くなって4回目の命日がくるんだ」

「あ……そうなんだ」


「最低だけど、今まで、一周忌も三回忌もご両親に誘われても行けなかった……。誰にも合わせる顔がなくて」


「……その気持ちは俺も、よくわかる」


「うん……。だけど、今年は絶対に行く。しっかり謝って、蓮にも今までのこと全部話そうって思ってる。これからもずっと、一生。蓮の命日には、何があっても会いに行く」



「……喜ぶだろうね。好きな人が、会いに来てくれたら」


大賀君は優しく笑う。


同じこと、言ってもいい?


「喜ぶよね、好きな人が会いに来てくれたら」



私の目は、大賀君の目を捉えて、絶対に離さない。


きゅっと口角を上げて、目を細める。



「……大賀君も、会いに行きなよ?」


花火が高く上がる。大きく咲いて、大賀君の頬を照らした。