並んで見上げる夜空には、蓮が教えてくれた、ベガとアルタイルが浮かんでいる。
織姫と、彦星。花火の煙が流れて、薄らいでいく二つの星。
あの、デネブを足すと、夏の大三角なんだっけ。
「どっちみてんの?」
「あ、星……」
「星かぁ……。俺、星って全然興味もてなかったんだよなぁ」
「理科で?」
「そうそう。星座早見表とかさっぱり。……でもさぁ」
そこで言葉を止めた大賀君。
「大丈夫だよ。優ちゃんの話しても、平気だよ」
「いや……うん」
「優ちゃんは、星が好きだった?」
こくっと頷く彼は、私から見ても、未練たらたらだ。
……悲しくなるくらいにね。



