彼の醸し出すオーラで、簡単に教室の空気が変わるくらいだ。
あっという間に大賀君が私と別れたという噂が広がっていった。
昼休み。それは、栞ちゃんと一緒にお弁当を抱えて、中庭に行こうとしていた時のこと。
「あー楠本さんだ!別れたんだよね?!」と後ろから話しかけられた。
振り向くと、西田さんと同じグループの女子、竹内さんだ。
黒髪に混ざりこむ茶色のメッシュ。その長い髪は見事な螺旋を描いている。
西田さんと似たようなメイク。指先のショッキングピンク。
言い知れない威圧感に気圧される。
「う、うん……別れた」
「早かったね。やっぱ楠本さんから振ったの?」
「えっと。ふたれたと思う」
「え?まじ?大賀から振るとか初めて聞いた!」
興奮気味の竹内さんに「ちょっと里穂、今はその話やめようよ」と栞ちゃんが止めに入る。
「えーなんで?」と一気に不満げに眉をしかめた竹内さんに、「全然、大丈夫だよ」と私は笑みを張り付けて答える。
栞ちゃんが、せっかく助けようとしてくれたのはわかるけど、ことを荒立てたくない。
「よかった!まぁ大賀が彼女に本気にならないのは、わかってたことだもんね。だいたい覚悟して告ったわけでしょ?」
そう竹内さんが言った時、彼女の手をぐいっと引っ張った人がいた。
西田さんだ。
ちょうどお手洗いから戻ってきたのか、ハンカチを握りしめている。
あっという間に大賀君が私と別れたという噂が広がっていった。
昼休み。それは、栞ちゃんと一緒にお弁当を抱えて、中庭に行こうとしていた時のこと。
「あー楠本さんだ!別れたんだよね?!」と後ろから話しかけられた。
振り向くと、西田さんと同じグループの女子、竹内さんだ。
黒髪に混ざりこむ茶色のメッシュ。その長い髪は見事な螺旋を描いている。
西田さんと似たようなメイク。指先のショッキングピンク。
言い知れない威圧感に気圧される。
「う、うん……別れた」
「早かったね。やっぱ楠本さんから振ったの?」
「えっと。ふたれたと思う」
「え?まじ?大賀から振るとか初めて聞いた!」
興奮気味の竹内さんに「ちょっと里穂、今はその話やめようよ」と栞ちゃんが止めに入る。
「えーなんで?」と一気に不満げに眉をしかめた竹内さんに、「全然、大丈夫だよ」と私は笑みを張り付けて答える。
栞ちゃんが、せっかく助けようとしてくれたのはわかるけど、ことを荒立てたくない。
「よかった!まぁ大賀が彼女に本気にならないのは、わかってたことだもんね。だいたい覚悟して告ったわけでしょ?」
そう竹内さんが言った時、彼女の手をぐいっと引っ張った人がいた。
西田さんだ。
ちょうどお手洗いから戻ってきたのか、ハンカチを握りしめている。



