「――…か、結香」

躰を揺すられて、私は自分が寝ていたことに気づいた。

「――あっ、宇奈月さん…」

宇奈月さんが私の顔を覗き込んでいた。

「こんなところで寝てたら風邪をひくだろ」

呆れたと言うように言った宇奈月さんに、
「すみません…」

私は謝ると、躰を起こした。

窓の外に視線を向けると、当たり前だが夜だった。

「何かあったのか?」

外を見ていたら、宇奈月さんが言った。

「えっ?」

「何かあったって言う顔をしてる」

そう言った宇奈月さんに、私は手を頬に当てた。

つまり、顔に出てるって言うことだよね…?

「話を聞こうか?

少しくらいだったら楽になるはずだ」

宇奈月さんはネクタイをゆるめた。