私は意識を手離した。
そして手離す前に聞こえた、新の私を呼ぶ声がとても苦しそうだった。
私は新を泣かせたかったんじゃない。
笑っていて欲しかった。
ただ………それだけだよ?
それは………響も一緒。

〈怜奈ちゃん!!〉

〈怜奈!〉

〈私………1人で死にたくない………っ!〉

〈それなら俺達がそばにいてやるよ〉

〈えっ?〉

〈怜奈のそばにずっといてやる〉

〈僕もだよ!!〉

〈ありがとう、二人とも!〉

私は泣きながら笑っていた。
とっても幸せそうに。

「………ここ、は?」

目を覚ますと白い天井が目に入った。
そして私が嫌いな病院の消毒液の匂い。

「病院か………」

今………何日だろう?
私は何時間眠ってた?
それより………。
とても懐かしい夢を見た。
私がまだ幸せそうに笑っていたあの日の夢をー。