桜庭と名札が付いたその看護師。


普段優也兄と、湊斗兄、そして見慣れた看護師しかあまり入ってこない私の病室。


すぐに違和感を感じた。




桜「また…戻ってきたのね。」

美「えっと…」

桜「そんなに神崎先生困らせて楽しい?」


嘲笑うかのようにそう言ってくるその看護師。

美「私は…」


桜「この前神崎…優也先生が倒れたのだってあんたのせいよ。」

美「えっ…」



言っている意味も何が言いたいのかもわからなかった。

桜「みんな迷惑してるの。私だったらこんなに体調崩してお兄さんに迷惑かけたにしないわ。」



私だって崩したくて体調を崩しているわけじゃない。

そしてその看護師は私に言い返す隙も無く言葉を投げつけてきた。



桜「もの好きよね。ほんと。」

美「え?」

桜「種違いの妹にこんなに一生懸命になるなんて。」




……え?





じゃあこの前の封筒…



桜「あれ?知らなかった?きっと優也先生もあなたのことそのうち…」



そこまで言うとその看護師はクスリと笑って病室を出て行った。