湊斗兄が何気なく言った「今は美音が心配」って言葉がどうしても引っかかる。


私は心配してもらってるのに…


ママの事は心配しないの?


辛い思いしたのはママなのに。


どうして誰もママを助けないの?





美「ヒクッ……」


湊「美音?どした??」


美「……っ。グスン。」


ダメだ。私。

なんでこんなに涙ばかり出てくるんだろう。



優しい言葉さえも素直に受け付けられない。


助けて。











ガラッ


優「美音?病室から突然居なくなったら心配するだろ?」


そう言って入ってきた優也兄だけど…

私の姿をみて湊斗兄と顔を合わせた。



優「美音、とりあえず泣くと呼吸辛くなっちゃうから落ち着こうか。」


美「グスン。ヒック…ヒック……」


優「湊斗…美音少し横にさせよう。」


湊「うん。」



私は優也兄に抱っこされてそのまま診察室のヘッドへ横になった。



優「美音一回注射頑張ろっか。」


美「やだぁ。」


点滴もしてるのに注射なんて…

もーやだ。こんな生活。


湊「ごめんね。少し抑えるね。」


美「やだよー。離してっ!」



こわい。こわいよぉ。
 



抵抗する私だけど、もちろん抑える湊斗兄と優也兄の力には敵わなくて…


呆気なく注射されてしまい






注射が終わってしばらくすると私はいつの間にか眠ってしまっていた。