目を覚ますと辺りはもう薄暗くて


いつもと変わらない白い天井と壁。




美「早くお家に帰りたい……」


腕に繋がった点滴。

針が刺さっている所は長時間刺さっているせいかだんだんヒリヒリと痛んでくる。



もう嫌だよ。


こんな生活。


早くまた学校通いたい。





そんな気持ちからか私は点滴台を引きながら廊下をとぼとぼと歩いた。


歩いても歩いても、なんだか歩いている感じがしない。



湊「美音?」


美「湊斗兄…」



見つかってしまった。

でもなんだか湊斗兄に会うの久しぶりだな。

また病室に戻される……



湊「何してるの?こんなところで。」


美「……。」



私が黙ったまま下を向くと湊斗兄は私の頭を撫でた。


湊「ちゃんと点滴してて偉いな。」


一言そう言ってくれただけなのに…

その言葉はすごく温かい気がして。



涙が溢れた。



別に悲しいわけでもない。


辛くないと言ったら嘘になるけど


でも自分ではどうして泣いているのかも分からなかった。





湊「俺の診察室おいで。少しお話しよ??」


私がコクンと頷くと湊斗兄は腰を軽く支えて診察室へと入れてくれた。