それから優兄とほぼ入れ違いかのように美音が入ってきた。


美「駿介…大丈夫?」


駿「え?お前1人?」


美「病院入るまで悠真くんが付いていてくれたよ。もう帰っちゃったけど…」




そーゆーことか。

てっきり1人で来たのかと……





美「ありがとね?」


駿「は?」


美「私のために悠真くんに頼んでくれたんでしょ?」


駿「別に……そんなんお前が気にすることじゃねぇだろ。」






俺がそう言って目を逸らそうとすると美音は笑顔で

美「ありがとう。」



と言った。







本当この笑顔見ると調子狂うわ。




駿「湊斗兄はそろそろ仕事終わるだろうからそしたら一緒に帰れ。」


美「そうなんだ!分かった!……ねぇ駿介?」


駿「なに?」





美「今さ…かなり体調悪いんじゃない?」


駿「……っ!?気のせいだろ…」


俺が言葉を濁すと美音は俺のおでこに手を当てた。






美「ほら!やっぱり熱高いよ?」


駿「大丈夫だっつーの。俺まじで調子いいから。」


美「んー……優也兄呼ぼうか?」


駿「まじでそれだけは勘弁して。」


美「でも……」


駿「大丈夫って言ってるだろ。」



俺は少し大きな声でそう言ってしまった。





美「ご、ごめん…じゃあ、私もう行くね。」



駿「い、いや。違くて!」


そう言ったのも遅くて…


美音は病室を出て行ってしまった。






ったく。

何やってるんだよ俺。






自分が体調悪くてそばにいてあげられない自分が悪いのに。