2人とも熱で点滴を打っている間、俺は帰宅の準備をした。

今日は湊斗も当直じゃないからみんなで一緒に帰れる日。




着替えて、軽くカルテ整理をして美音と駿が眠っている部屋に向かった。









優「まったく。喧嘩をするほどって言うけど…」



美音が眠っている横の椅子に座り眠っている駿。
そして繋がれた手。

きっとお袋のお腹にいる10ヶ月間もこうして過ごしていたのかもしれないと考えると微笑ましく感じる。




ひとまず駿介に俺が着ていたジャケットをかけると美音と駿介の点滴を確認する。



美音のはもう少しで終わりそうだ。


熱は……まだ若干ありそうだ。

駿介はとりあえず熱は大丈夫そうだけどムリは禁物だな。



湊「兄貴……あ、2人とも寝てるのか。」


思わず小声になる湊斗。

優「あ、さっきはありがとな。」

湊「いいえー。小児科には注射や点滴嫌いな子ばっかりだからね〜」
そう言って笑う湊斗。

本当流石だよ。


そして、眠っている駿と美音をみて再度湊斗は口を開いた。


湊「いつも喧嘩ばっかりなのにね。」

優「本当、駿も素直じゃねーよな。」

湊「だね〜」



駿「ん…」

湊「ごめん。起こしちゃった?」


駿「大丈夫。」

そう言って体を起こす駿。



優「こんなところで寝てたらまた熱上がるだろ?美音が心配なのは分かるけど…」

駿「別に心配なんて…」


……全く本当素直じゃないねぇ。