次に目が覚めた時はもう外は明るくて。


白い壁と天井。


……ん!?


美「ここ…」


駿「目が覚めたか。」


美「駿介…!!」


驚いた私の額に駿介は手を当てた。

美「…駿?」

駿「あ、いや。優兄が熱あるって言ってたから。」



…熱あったんだ。

駿「多分もうすぐ優兄くるから。」


美「う、うん。」






駿「ねぇ少し話さない?」


コクリと私が頷くと駿介は再び口を開いた。




駿「母さんと何かあった?」


……何か、じゃない。

かなりたくさんあった。


たくさん。


…でも。



美「何もないよ?」

そう言ってニコリと微笑んだ。




言ったってどうしようもないじゃない。

迷惑かければ捨てるんじゃん。





私が発した言葉に駿介はだんだんと眉間に皺を寄せた。




駿「なんで何も言わねぇんだよ。」

そう言って駿介は私の両頬を両手で包み込み顔を近づけた。


駿「いいか美音。つかなくていい嘘をつくな!俺は味方だよ、美音。」



そんな優しい言葉をかけてくれた駿介の言葉でさえ受け止められない。








美「うるさい!!」
私がそう叫ぶと驚いた顔をする駿介。



美「何も知らないじゃん!分からないじゃん!嫌い!!みんな大っ嫌い!!」

……違う。こんな事言いたいわけじゃない。


美「みんなだって私のこと嫌いなんだよ!!邪魔だって思ってる!!生まれて来なければって思ってる!!」

……違うよ。




がしゃん!!

私は自分に繋がっていた点滴を引っこ抜き、点滴を倒した。


美「味方なんていない!!」



優「美音!!」

怒鳴り声なのか、点滴を倒す音でなのか、優也兄は慌てて入ってきた。