「ねぇまどか、運命くんの名前ってわかったの?」

お昼休みの時間、教室で二人でごはんを食べている時に仁奈が唐突に切り出した。

運命くん、だなんて大げさな呼びかたにお茶を噴き出してしまいそうになる。

「もー!やめてよ、そんなんじゃないし!」

慌てて否定する私を仁奈がニヤニヤと見つめる。

仁奈が言う「運命くん」とは、私が入学式の日に出会った人のことだ。