一つ下の弟を親戚の家に置いていくのには胸が痛んだけれど、「元気でやってくれてたらそれでいい。時々顔見せてくれよ!」なんて男前な台詞で快く私を送り出してくれた。

我ながら、本当に良くできた弟だと思う。

そんなこんなでこの学校に入学したのが一ヶ月前。

お嬢様お坊っちゃまばかりのこの学校でやっていけるのか不安だったけれど、そんな心配は杞憂に終わった。

ありがたいことにこんなド庶民の私とも仲良くしてくれる友達ができたのだ。

その子とは毎朝寮の前で待ち合わせして一緒に登校している。

学校から最寄り駅までは徒歩15分ほどなのだが、その丁度中間地点に私の住む寮があり、どうせ通るから一緒に行こうよと誘われた。

あと一、二分もすればその友達が現れるはずだ。