いつか止まる時がくるのかな。


私の時も、私の心臓も。


もう今なら、生きることを諦めてもいい気もする。


「莉奈、病み上がりのお風呂だし、そんなに長く入ってちゃダメよー」


そうだった。


心臓は暖かいとことかにいるだけでビックリしちゃうんだ。


なんてわがままなのよ。





お風呂も入って、ご飯も食べて、まだ9時だけど布団に寝転んだ。


なんて今日は色々と大変だったなぁ...


「じゃあ、また明日な」


去り際に私に振りかけたあの言葉が、あの音声で頭の中でリピート再生してる。


汗でクシャッとなった髪が駅の扇風機の風で横になびいてた。


笑うと顔の皮がクシャッとなって、しわしわになってた。


「何か、病気でも抱えてるの?」


眉毛を垂らして、困り顔で私の顔を覗きこんだ。


彼は私の心の中も見えるのかしら。


“病気です。心臓が悪いんです。余命はあと...3年なんです。”


こう囁いてたのよ。


「莉菜ちゃんの心臓は持って3年かと、移植をしない限りは手術をしても、その場しのぎのものになってしまうかもしれません。」


盗み聞いた主治医の言葉。


彼がこのことを知ったら、悲しんでくれるのだろうか。


くまの大きなぬいぐるみを抱いて、目をぎゅっとつぶった。