ひみつ

電車はいつもガラガラ。


腰掛けも全然座ってる人がいない。


「こっちの線、あんまり使ってる人いねーよな。」


「そ、そうだね」


なんか緊張してる自分。


だって気になる人が隣に居るんだもの...


「そういえば、体調大丈夫?」


「うん、なんとか...」


「何か、病気でも抱えてるの?」


ビクッとした。


何か、見透かされてる気がして、


なんだろう、彼は知ってるのだろうか。


「ううん、ちょっと重い貧血持ちってぐらいかな」


「そうなんだ...」


納得してない様子で彼は私の顔を見た。


「大変だね、貧血。俺、貧血とかそんなんなったことないっていうか、最後に引いたんいつだろってぐらい体丈夫なんだよね、だから同情とか全然できないってか、俺全然なんか空気読めてないね?」


なんか一人で完結しちゃってるじゃん。。


「やーっなんか俺、緊張してるわ、何でだろ」


「私たち、あんまり話したことないからじゃない?」


「そーかもね!」


たわいもない話をしながら、彼の最寄りが先に来てしまった。


「一つ違いなのか、惜しいなぁ!じゃ、また明日な」


笑顔で手を振ってくれた彼は、私の心を溶かしていきました。