ひみつ

先生と少し話して、教室に向かった。


階段登れないから、エレベーターを使って。


教室に着くと、誰かがもう居た。


一番だと思ったのに...


「あれっ高瀬さんじゃん...体調大丈夫?」


「あ、うん...」


「マスクしてるってことは、本調子じゃないんだな?無理すんなよ!」


「あ、ありがと...」


バスケのユニホームを着て、朝日に浴びる彼は輝いて見えた。


「あ、高瀬さん、席隣になったんだ、よろしくな!」


「あ、そうなんだ、よろしくね」


「じゃあ、朝練行ってくるわ!無理すんなよ!」


「行ってらっしゃい!」


な、なんと...


なんと運がいい自分...


やっぱり、かっこいいなぁ...


自分の席に行くと、綺麗にプリントが整理されてた。


ありがたい、誰かが片付けてくれたんだな...


ふと横を見ると、綺麗に畳まれた制服が机の上にある。


“三倉 蒼|《みくら あおい》”


きれいな字で、カバンに書かれている。


席が隣になったなんて、信じられないや...


「えっ莉奈じゃん!」


「佳奈...ごめん、LINEも朝気づいて...」


「それよりどうしたの?大丈夫?」


「ちょっとね、体調悪くて...」