ひみつ

「あの制服、莉奈ちゃんの高校だよね?」


車椅子を押してくれてる看護婦さんが言うと、その男の子は振り返った。


ふと下を向くと、運良く横の部屋だったから、かいくぐれた。


ばれた...かなぁ...


「ごめんそっか...高校では秘密なんだっけ?」


「そうなんです...」


そんなことを話しながら先生を待って、検査が始まる。


車椅子から立ち上がろうとしたら、急に立ったもんだから、脈が狂ってふらついた。


また元の生活に引き戻された...


検査が終わるなり、不整脈を起こして戻した。


「ゲホッ...オェェッ.....」


気持ち悪い...


嫌だ...元の生活に...


戻りたくない...


そう思うと、吐き気はさらに増した。


息もしんどくて、体が重い。


「ちょっと横になろうか」


ベッドに寝かされて、点滴を打たれたけど、おさまりそうになかった。


「ちょっと、処置室行こうか、直ぐに楽になるからね...」


そのまま処置室に連れていかれて、吐き疲れからか眠ってしまった。