「俺は守り方を間違えた。これからは真っ当に畑耕して、人の生活に必要なもん作ってよ、お天道様の下を堂々と歩いて生きようや」
そう言って、ランディがオリヴィエのお店の職人になれる話を伝えると盗賊たちは「俺たちがまともな仕事をもらえるなんてな!」と歓声が巻き起こる。
ランチワゴンの中でも話していたのだが、盗賊たちをリックベル商店が手配した研修先に受け入れる日取りは一カ月後に決まった。
農家や職人のもとで住み込みで働き、いずれ各地のリックベル商店で働けるようにオリヴィエが手配してくれている。
皆が職人なることを前向きに考えているのを見届けたランディは、私たちのところに歩いてきた。
「嬢ちゃん、この指輪を返しに行きてえんだが、ついてきてくれねえか」
「それって……あの男の子のお母さんの形見……」
「ああ、俺だけで行っても怖がらせちまうからな」
「もちろんだよ」
男の子の家は指輪の件を託されたときに聞いていたので、さっそく向かおうとすると、ノヴァが駆け寄ってくる。


