異世界ニコニコ料理番~トリップしたのでお弁当屋を開店します~


「頭はこんな形で終わっていい男じゃねえよ。助けに行くぞ」


そのひと言に「おおーっ」と賛同の声をあげる盗賊たちを、バルドさんは「早まるな」と諫める。


「お前たちが行ってなんになる。力づくで奪い返したところで、この住処は自警団に知られているんだぞ」

「なら、全員で逃げればいい!」


焦りから生まれた苛立ちをぶつけるようにノヴァが叫ぶと、盗賊たちは「よそ者のくせに口を出すな!」と騒ぎだした。

けれど、バルドさんは盗賊たちに怯むことなく厳しい目を向ける。


「女子供を連れて、どこまで逃げるつもりだ。そんな暮らしをいつまで続けるつもりだ? 現実的に可能かどうか、考えろ」

「それは……でも、お頭は親に捨てられ、ひどい干ばつで村を追われ、行き場を失った俺たちに居場所をくれた人なんだよ。それにお頭だって、初めから盗賊で俺たちを食わそうとしてたわけじゃねえんだ」


どういう意味だろう?

私はロキとエドガーとともに階段を下りて、ノヴァに近づく。



「お頭は難民の受け入れをパンターニュ王国の役所で何度も頼んでくれてた。でも、あいつらなんて言ったと思う? なにか悪事をしでかしたから、故郷を追われたんだろって。そんなやつらを受け入れる国なんてねえってな」


事情を確かめもせずに、ランディたちは追い払われてしまったんだ。