「たったこれだけか? 遊べても三秒だな」
「こっちも考えていないわけではない」
自警団のリーダーの言葉にランディが「あん?」と片眉を持ち上げると、自警団の男のひとりが盗賊の子供に刃物を突きつけながら前に出てくる。
それを見てランディが余裕の笑みを崩したのは、ほんの数秒。
すぐに笑みを繕って、すっと細めた目に静かな怒りをたたえる。
「少しは頭も回るようになったってことか。じゃあ、しょうがねえな」
ランディが降参とばかりに武器である鉤爪を地面に投げ捨てる。
その瞬間、自警団の男たちは「この悪党め!」「よくも、人から金を奪ってくれたな!」というヤジとともに無抵抗のランディを殴った。
それに盗賊の仲間たちは「お頭!」と助けに入ろうとしたのだが、ランディ自身が「来るな!」と牽制した。
一方的な暴力を目の当たりにした私は、震えながら「やめてください!」と叫ぶことしかできない。
そんな私とは違って、バルドさんは町民たちのところへ歩いていくとランディを殴っていた男の腕を掴んだ。


