「お前、見かけによらず怖え男だなあ」
「俺はただの発明家だよ。盗賊のきみに比べたら、危険なことなんてないと思うよ」
「発明家、ねえ? いろんな人間見てっけどよ。さっきの、俺に交渉しかけてきやがったときのお前の面、ただ者とは思えねえんだけどなあ。こういう野生の勘っての? 俺、当たるほうだぜ?」
意味深な物言いをするランディに返事をすることなく、エドガーは私に視線を移して目元を和らげる。
それから手を差し出してきて、小首を傾げながらいつもの困ったような笑みを浮かべた。
「助けるの、遅くなってごめんね。きみを傷つけないために、なるべく話で方をつけたかったんだ」
「なんか、私……エドガーに助けられてばっかりだね」
その手を取って立ち上がると、私は改めてエドガーに「ありがとう」と告げた。
エドガーはくすぐったそうに視線を落として、私の手を握りしめる。
「雪には一生分の『ありがとう』をもらってる気がする。俺、感謝されるような大した人間じゃないのに」
「……なに言ってるの? 私とロキの恩人なのに」
ね? とロキに視線を移せば、ランディが檻を開けてくれたのだろう。
ロキは私たちの足元にやってきて、エドガーを見上げる。


