「な、なにするの!? これで私たちのこと、解放してくれるんじゃないんですか!」
「そのつもりだったんだがなあ、やっぱ欲しくなっちまった。お前、俺の専属食事係になるってのはどうだ?」
「むっ、無理無理! 私は世界を旅して、たくさんの人に自分の作ったお弁当と笑顔を届けたいんです」
逃げ出す隙を狙っているのだが、ランディの腕ががっしり腰に回っていて身動きがとれない。
助けを求めるように後ろを振り向けば、エドガーが大丈夫だと安心させるように頷く。
「きみは雪の食事をうまいと言ったよね。その時点で取引は成立しているはずだよ。彼女とロキ、それから指輪を渡してくれないかな」
「そんな取引、信じてたのかよ?」
「信じたいと思ってるよ。きみたち『森の狩人』が約束を無下にするような、ただの悪党集団じゃないって」
私はエドガーを頼りないところもあるけれど、優しくておおらかな人だと思っていた。
でもそれは、私の思い違いだった。
盗賊たちから守ってくれたり、今もこうして敵地にいても怯むことなくランディを勇ましく見据えている。
私はエドガーのすべてを、まだ知らないのかもしれない。
そんな風に思っていると、ランディが私を開放するように両手を上げる。


