「い、今の……今のって、剣?」


身体を震わせながら動けないでいると私を抱きしめる腕に力がこもるのがわかり、振り返る。

私を助けてくれたのはいつもの頼りなさげな顔が嘘みたいに、敵を鋭く見据えるエドガーだった。

いつの間にか、私たちの周りを盗賊たちが包囲しており、バルドさんに助けを求めようにも距離があった。


「エ、エドガー……」


私はエドガーの白衣を握りしめる。

このまま盗賊に殺されてしまうのかと目を強く瞑ったとき、真っ暗な視界の中で「大丈夫」と優しい囁きが降ってくる。

目を開けると、エドガーは白衣をめくって腰のホルスターから銀の銃を抜く。


銃? エドガー、そんなの持ってたんだ……。


私が驚いていると、エドガーは銃口を盗賊たちに向けてすっと目を細める。