「これから先も私と一緒にいて、エドガー。私にはエドガーの発明と、バルドの強さと、オリヴィエの頭脳と、ランディの人を惹きつける魅力と、お母さんのロキ。皆みんな、大切で必要なの」


失いたくない皆の顔を見回して、お願いする。

私たちの間にあるのはもう利害の一致なんて悲しい繋がりではないと、それが一方通行でないと信じていた。

皆はそれを真実に変えるように、微笑んでくれる。


「当然です。僕がいなければ、今頃あなた方は赤字ですからね。財務管理をする者がいなければ、商売は成り立ちません」

「オリヴィエ、雪はそう言う意味で言ったのではないと思うが」

「バルド、オリヴィエはちゃんと意味わかってると思うぜ。ただの照れ隠しだって」


ランディの言葉に「だから勝手に略さないでくださいっ」とオリヴィエはいつものように顔を真っ赤にして抗議していた。

そんな彼らを温かい眼差しで見つめていたロキは、段々と話し声が大きくなってきたので「皆、国王様の前なんだから静かにね」とお母さんぶりを発揮している。

エドガーは彼らの姿にふっと笑みをこぼすと、晴れやかな顔で国王と王妃様を振り返った。


「というわけなので、俺は王子としてではなく発明家として生きていきます」


その答えを聞いた国王は止めるのは無理だと悟ったのだろう。


「せいぜい頑張れ」


素っ気ない物言いでしっしと追い払うような仕草をしていたが、口元がわずかに緩んでいた。