「鍋はこのくらいあれば、いくつか作れるわよね?」
ロキが自分の体より何倍もでかい大鍋を一生懸命持ち上げて、私に差し出してくれる。
彼女が転ばないうちにと鍋を受け取った私は、ロキもエドガーをなんとしても取り戻したいのだとわかって、ますます力がわいてくる。
私は鍋にお湯を入れて沸騰させている間に、プリンの生地を器に流し込んだ。
「それじゃあ、蒸していこう」
一旦火を止めてプリンを鍋に入れようとしたとき、「雪、待って」とロキに止められた。
「直接入れたらカップが割れちゃうから、底にタオルを敷かないと」
「あ……そうだった!」
「それから鍋の蓋にもタオルを巻いて取っ手のところできつく縛れば、蒸したときの水滴がプリンに入らないわよ」
プリンを作るときはいつも、この工程を忘れそうになる。
ロキの言葉は最後の最後でつい気が緩んでしまう私に、お母さんがよくしてくれた注意と同じだった。
ロキが自分の体より何倍もでかい大鍋を一生懸命持ち上げて、私に差し出してくれる。
彼女が転ばないうちにと鍋を受け取った私は、ロキもエドガーをなんとしても取り戻したいのだとわかって、ますます力がわいてくる。
私は鍋にお湯を入れて沸騰させている間に、プリンの生地を器に流し込んだ。
「それじゃあ、蒸していこう」
一旦火を止めてプリンを鍋に入れようとしたとき、「雪、待って」とロキに止められた。
「直接入れたらカップが割れちゃうから、底にタオルを敷かないと」
「あ……そうだった!」
「それから鍋の蓋にもタオルを巻いて取っ手のところできつく縛れば、蒸したときの水滴がプリンに入らないわよ」
プリンを作るときはいつも、この工程を忘れそうになる。
ロキの言葉は最後の最後でつい気が緩んでしまう私に、お母さんがよくしてくれた注意と同じだった。


