「待って、異世界に絹ごし豆腐なくない!?」
焦ってレシピを確認すれば、豆腐の代わりに【トーフー】を使うと書いてある。
「あれ? そういえば、トーフーって書いてあった白の物体があったような……」
私は冷蔵庫を開けてあちこち確認すると、奥に【バルド】と書かれた張り紙がついている木箱を大量に発見する。
「そうそう、これこれ」
木箱の表面には【トーフー】の焼印がされていて、いざ開けてみると楕円形の白い物体が入っていた。
恐る恐る鼻を近づけて匂いを嗅いでみれば、無臭だったので試しに一口食べてみる。
すると、私の知っているものより濃厚な豆腐の味がした。
「バルドのみたいだけど、ごめんなさい。ちょっと使わせてもらいます」
私は密かに謝罪して、トーフーをかぼちゃの中に混ぜ込むとしっかり生地と馴染ませる。
「なめらかになってきたんじゃない? 雪、かぼちゃの甘さを見つつ砂糖を二十グラム入れて」
「はーい。ふふっ、ロキとこうしてキッチンに立ってると、お母さんと料理してるみたい」
「そうね、私も娘とお菓子作りしてるみたいで幸せよ」
私はロキと顔を見合わせて、同時に笑みをこぼす。
ふとお母さんが恋しくなって胸が締めつけられたけれど、異世界に来たときほどの痛みはなかった。
少しずつお母さんの死を乗り越えられてきているのかもしれないと、少しだけ気分が前向きになる。
私は「よし!」とあえて口に出して意気込み、裏ごしして白身のだまを取り除いた卵を生地に入れてよく混ぜた。
焦ってレシピを確認すれば、豆腐の代わりに【トーフー】を使うと書いてある。
「あれ? そういえば、トーフーって書いてあった白の物体があったような……」
私は冷蔵庫を開けてあちこち確認すると、奥に【バルド】と書かれた張り紙がついている木箱を大量に発見する。
「そうそう、これこれ」
木箱の表面には【トーフー】の焼印がされていて、いざ開けてみると楕円形の白い物体が入っていた。
恐る恐る鼻を近づけて匂いを嗅いでみれば、無臭だったので試しに一口食べてみる。
すると、私の知っているものより濃厚な豆腐の味がした。
「バルドのみたいだけど、ごめんなさい。ちょっと使わせてもらいます」
私は密かに謝罪して、トーフーをかぼちゃの中に混ぜ込むとしっかり生地と馴染ませる。
「なめらかになってきたんじゃない? 雪、かぼちゃの甘さを見つつ砂糖を二十グラム入れて」
「はーい。ふふっ、ロキとこうしてキッチンに立ってると、お母さんと料理してるみたい」
「そうね、私も娘とお菓子作りしてるみたいで幸せよ」
私はロキと顔を見合わせて、同時に笑みをこぼす。
ふとお母さんが恋しくなって胸が締めつけられたけれど、異世界に来たときほどの痛みはなかった。
少しずつお母さんの死を乗り越えられてきているのかもしれないと、少しだけ気分が前向きになる。
私は「よし!」とあえて口に出して意気込み、裏ごしして白身のだまを取り除いた卵を生地に入れてよく混ぜた。


