「雪、俺……王子として生まれたのに、ずっと王位に執着がなかったんだ」
エドガーがそう思ってしまうのも仕方ない。
国王と王妃は権力を使って民ではなく、自分たちの暮らしを豊かにすることしか考えていなかった。
そんな王族の姿を見て育った彼からしたら、王位に魅力も感じなかったのだろう。
「それに国を治められるような器じゃないって、自分にはなにもないような気がしてた。だけど、俺はこの国の人たちのためにも、ただの人になるわけにはいかないんだ。王子として、発明家として、皆を守る」
曇りのない碧眼には強い意志がしっかりと宿っており、こんなにも彼は精悍な顔立ちをしていただろうかと目を奪われる。
やっぱり、エドガーは王子なんだ。
息を呑むと、私は自信を取り戻して背筋がしゃんとしている彼に応えるべく口を開く。
「私も、エドガーとは違う戦場で戦うよ。絶対に王妃様をスリムにしてみせるから、エドガーも頑張って!」
「うん、約束だ」
私たちは指切りをするみたいに額を重ね合わせて、それぞれの戦いへと赴くのだった。
エドガーの発明を手伝うため、ロドンの町に向かった仲間たちと分かれて、ロキとふたり城に残った私は広い庭園に停めさせてもらったランチワゴンの中にいた。
エドガーがそう思ってしまうのも仕方ない。
国王と王妃は権力を使って民ではなく、自分たちの暮らしを豊かにすることしか考えていなかった。
そんな王族の姿を見て育った彼からしたら、王位に魅力も感じなかったのだろう。
「それに国を治められるような器じゃないって、自分にはなにもないような気がしてた。だけど、俺はこの国の人たちのためにも、ただの人になるわけにはいかないんだ。王子として、発明家として、皆を守る」
曇りのない碧眼には強い意志がしっかりと宿っており、こんなにも彼は精悍な顔立ちをしていただろうかと目を奪われる。
やっぱり、エドガーは王子なんだ。
息を呑むと、私は自信を取り戻して背筋がしゃんとしている彼に応えるべく口を開く。
「私も、エドガーとは違う戦場で戦うよ。絶対に王妃様をスリムにしてみせるから、エドガーも頑張って!」
「うん、約束だ」
私たちは指切りをするみたいに額を重ね合わせて、それぞれの戦いへと赴くのだった。
エドガーの発明を手伝うため、ロドンの町に向かった仲間たちと分かれて、ロキとふたり城に残った私は広い庭園に停めさせてもらったランチワゴンの中にいた。


