「エドガーのことが心配で、無我夢中で飛び出してきちゃったの」
そう言って、今に至るまでの経緯をかいつまんで説明すると、バルドは腕を組みながら「事情はわかった」と頷く。
「なんにせよ、水臭い話だ。エドガー、取引を持ちかけられた時点で相談してくれていれば、俺たちはお前を犠牲にせずとも済むように全力を尽くしたというのに」
「バルド……うん、ごめん。きみたちには俺に捕らわれず旅を続けてほしかったから姿を消したのに、結局巻き込んでる」
エドガーは反省しているようだったが、〝巻き込んでる〟の言葉を聞いたら、私たちの気持ちをなにもわかってないのだと一抹の寂しさを覚えた。
「エドガー、私たちが言ってるのは〝巻き込む〟って考え方が、他人行儀みたいで悲しいってことなんだよ。私たちはもう仲間でしょ? 仲間のピンチは自分のピンチ、もうエドガーはエドガーだけのものじゃないんだよ」
そうじゃなければ、危険を冒してまで城に乗り込んできたりしない。
きっとあの手紙を読んでも、なんの躊躇もなくエドガーの嘘を信じて別れていたはずだ。
「雪……ごめん、そうだね。俺たちは仲間だ。それなのに突き放したような言い方して、傷つけた」
「なら、皆に伝える言葉は『巻き込んでごめん』……じゃないよね?」
「あ……そうだね、皆、迎えに来てくれてありがとう」
エドガーは照れくさそうに、お辞儀をしていた。
穏やかな空気が流れると、「……ところで」とオリヴィエは室内を見渡して、不快そうな顔をする。
そう言って、今に至るまでの経緯をかいつまんで説明すると、バルドは腕を組みながら「事情はわかった」と頷く。
「なんにせよ、水臭い話だ。エドガー、取引を持ちかけられた時点で相談してくれていれば、俺たちはお前を犠牲にせずとも済むように全力を尽くしたというのに」
「バルド……うん、ごめん。きみたちには俺に捕らわれず旅を続けてほしかったから姿を消したのに、結局巻き込んでる」
エドガーは反省しているようだったが、〝巻き込んでる〟の言葉を聞いたら、私たちの気持ちをなにもわかってないのだと一抹の寂しさを覚えた。
「エドガー、私たちが言ってるのは〝巻き込む〟って考え方が、他人行儀みたいで悲しいってことなんだよ。私たちはもう仲間でしょ? 仲間のピンチは自分のピンチ、もうエドガーはエドガーだけのものじゃないんだよ」
そうじゃなければ、危険を冒してまで城に乗り込んできたりしない。
きっとあの手紙を読んでも、なんの躊躇もなくエドガーの嘘を信じて別れていたはずだ。
「雪……ごめん、そうだね。俺たちは仲間だ。それなのに突き放したような言い方して、傷つけた」
「なら、皆に伝える言葉は『巻き込んでごめん』……じゃないよね?」
「あ……そうだね、皆、迎えに来てくれてありがとう」
エドガーは照れくさそうに、お辞儀をしていた。
穏やかな空気が流れると、「……ところで」とオリヴィエは室内を見渡して、不快そうな顔をする。


