「エドガー、聞かせてくれるかな。エドガーはどこの誰かもわからない王女様に嫁ぎたいの? 誰かのための発明をするって夢も諦めるの?」
その質問に彼はなにも答えなかったけれど、瞳が揺れているのを見ればわざわざ問うまでもなかった。
私は「もういい」とだけ言って、エドガーの前に出ると王妃様をまっすぐに見据える。
「王妃様、私からもひとつ提案させてくださいませんか」
「あなたみたいな庶民が、わたくしになんの取引を持ちかけるつもりですの?」
小指を立てながら口元に手の甲を当ててバカにしたように笑う王妃様にむっとしたものの、私は負けじと正対する。
「王妃様は食べるのがお好きなご様子。ちなみに、好物はなんですか?」
「そうねえ、プリンかしらね」
あれ、普通に会話ができてる? と驚いていると次に信じられない言葉が耳に飛び込んでくる。
「一日に十五個は食べるわね」
「十五個ぉ!?」
それは太るはずだと、私は額に手を当てて宙を仰ぐ。
料理を作って『おいしい』と言わせられたらエドガーを諦めてもらうつもりだったのだが、プリンを十五個も作ったら王妃様は戸口を通れないどころか、生活習慣病で死んでしまう。
その質問に彼はなにも答えなかったけれど、瞳が揺れているのを見ればわざわざ問うまでもなかった。
私は「もういい」とだけ言って、エドガーの前に出ると王妃様をまっすぐに見据える。
「王妃様、私からもひとつ提案させてくださいませんか」
「あなたみたいな庶民が、わたくしになんの取引を持ちかけるつもりですの?」
小指を立てながら口元に手の甲を当ててバカにしたように笑う王妃様にむっとしたものの、私は負けじと正対する。
「王妃様は食べるのがお好きなご様子。ちなみに、好物はなんですか?」
「そうねえ、プリンかしらね」
あれ、普通に会話ができてる? と驚いていると次に信じられない言葉が耳に飛び込んでくる。
「一日に十五個は食べるわね」
「十五個ぉ!?」
それは太るはずだと、私は額に手を当てて宙を仰ぐ。
料理を作って『おいしい』と言わせられたらエドガーを諦めてもらうつもりだったのだが、プリンを十五個も作ったら王妃様は戸口を通れないどころか、生活習慣病で死んでしまう。


