「大歓迎だよ! 一緒に行こう」


その手を握りしめれば、ランディは目を見張った。

どのくらい見つめ合っていただろう。

やがてその目をゆるゆると細めていき、ランディは私の手を握り返してくる。


「サンキュー、嬢ちゃん……いや、雪だったな。俺のために叩いた保釈金ぶんの働きはさせてもらうぜ。これからよろしく頼むな、雪とその仲間たち!」


雑にまとめられたエドガーとバルドさんは視線を交し合うと肩を竦めて、オリヴィエは「その仲間たち、ではなくオリヴィエです!」と抗議している。

ロキは私のそばにやってきて、つぶらな瞳で見上げてきた。


「賑やかになりそうね」

「うん! これでようやく旅を始められるよ」

「雪も楽しそうでよかったわ。素敵な仲間と心から描きたい夢を見つけてね」


私はロキの言葉に強く頷いて、その小さくてふわふわな身体を抱き上げる。


「そのときはロキも一緒だよ。きっと見届けてね」

「ええ、約束よ」


私はロキを抱きしめたまま、仲間たちを振り返ると──。


「それじゃあ、行こうか!」


そう声をかけて、私は大きく手を振って見送ってくれている盗賊の皆さんたちに背を向けた。

そんな私に続くように、ニコニコ弁当屋の仲間達もランチワゴンへと歩き出す。

木々を揺らす追い風が、新たな仲間を加えた旅の門出を祝ってくれているようだった。